JAGMOに関するお知らせ

2023年7月1日 発表

はじめに

このページは「JAGMO」の商標を管理している株式会社レゾナージュ(以下、弊社)によって臨時に作成されたウェブサイトです。

「JAGMO(JApan Game Music Orchestra)」は日本初のゲーム音楽専門のオーケストラ集団として2014年に発足しました。

運営はJAGMOプロデューサー山本和哉氏が代表を務める「JAGMO運営事務局(以下、当運営団体)」によって行われ、弊社は2018年2月に株式会社カヤック(通称:面白法人カヤック)より「JAGMO」の商標移管を受け、今日まで当運営団体に対し商標の利用を許可し各種支払等の経理作業を請け負ってまいりました。

しかし、突如として2021年4月を最後に今日まで当運営団体と連絡が取れなくなってしまいました。

商標を管理する弊社は、これまでJAGMOの運営に関して一切の指揮監督をせず、あくまでも当運営団体主体の活動と認識し、今回の騒動も動向を見守っていましたが「JAGMO」というブランド自体の名誉が深く傷つき始めた今、この状況を看過することができなくなったため、この度皆様に向けて状況を説明する場を設けた次第でございます。

本来であれば早急にお知らせすべき事案であることは重々承知の上ですが、関係各所との交渉・調整がありましたため長期間に渡り公表することができずにおりました。

皆様にはご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。

大変申し訳ございませんでした。

弊社の中の人も人間である以上、感情を0にすることは非常に厳しいですが、なるべく感情を切り分けて客観的事実のみを以下に記すことで「JAGMO」への正しい認識を広げ、再び多くのお客様へ喜びと感動をお届けできるようなブランドに復活させたいと強く願っています。

非常に長く、婉曲な表現も含む文章になっておりますが、どうか温かい心でお読みいただければ幸いでございます。

弊社とJAGMOの出会い


弊社は2017年12月に映像ディレクターの田中亮祐(現在の代表取締役)によって設立された株式会社で、2023年6月現在、6期目を迎えます。

「JAGMO」と田中の接点は遡ること16年前。

JAGMOプロデューサー山本氏と田中は、とある県立高校の同じ教室にいました。

あまり会話をする仲ではありませんでしたが、共に芸術の世界を志す同級生として、互いにその存在を意識していたと思われます。

そんな田中のもとに山本から1本の電話があったのは2015年の秋、高校卒業から5年後のことでした。

山本から、自らがディレクター(プロデューサーの前職)を務めている「JAGMO」の映像収録をしてほしいと依頼があったのです。

当時すでに映像ディレクターとしてさまざまな映像作品を手がけていたことと、古くから音楽を嗜んでいたために楽譜を読むことができた田中は、同級生の申し出ということもあり快諾。翌年、人見記念講堂で行われたJAGMO公演「伝説の狂詩曲」(2016年3月)にて撮影を行いました。

これがJAGMOと弊社の出会いです。

それから月日が流れたある頃から、山本が「組織の一部としてではなくl、自分の手でJAGMOを運営したい」という旨の発言を繰り返すようになりました。

当時山本が所属していたのは商標管理をしていた株式会社カヤック(通称:面白法人カヤック)。上場企業であることもあってか自分の思いや考えとJAGMOの未来を一体化することに苦戦していたようで、独立したいと足掻いていました。

田中は映像制作業が軌道に乗り始めていたため、すでに8年続いていた個人事業を法人化しようとしていた頃でした。

そこで、「JAGMO」の商標をカヤックから買い取り山本に貸与することで同級生の夢の実現に貢献できないかと思い付きます。

度重なる交渉の中で山本はある提案をしました。

「田中の作る新会社の役員として雇ってほしい」

田中にとっては映像制作の個人事業を法人化するためだけの会社設立だったため想定外のことでしたが、社会的責任を果たそうとするその姿勢を受け入れ、設立と同時に山本は取締役として就任することになりました。

こうして2017年12月18日、田中100%出資の株式会社レゾナージュが誕生。

長きにわたる交渉の末、翌年の2018年2月に「JAGMO」の商標移管が完了しました。

買収額は5000万円。弊社は田中の親戚や金融機関からの借入を中心とした資金でその費用を賄いました。

運営体制と関係性


新体制JAGMOとして記念すべき1回目のイベントは、2018年3月に行われた「UNDERTALE」公演でした。

それから2020年12月開催の「幻想水滸伝」公演までの約3年間にJAGMOが開催したコンサートは30回近く。その全ての企画から予算繰り、会場設営、演奏家・編曲家手配、集客までもを山本を代表とする常時3〜5名ほどの当運営団体が行っています。

弊社はそれらの活動の中で商標の貸与、そして法人格を必要とする契約時の名義貸し、経理業務として関与し、彼らのJAGMO運営活動における収益の一部を管理費として回収することで、弊社の借入金を返済してきました。

初年度で1億円以上、2年目で2億円もを売り上げたJAGMOブランドは、着実にその力を高め、より多くの人々に感動を届け始めていました。

しかしその中で気になることがありました。

高い利益を出す公演と、そうでない公演の差が顕著に現れ始めたのです。

調べてみると、メジャーな人気ゲームのタイトルに特化し、メーカーとタッグを組んだ公式コンサートと、山本の独断と偏見でセレクトしたオムニバス公演とでその差が生まれていることがわかりました。

また、そのことに山本自身も気づいているようで、日に日に仕事への熱意が冷めていくようになりました。

メーカー担当者や当運営団体スタッフと何日も連絡が取れないことが当たり前になり、虚偽の説明なども目立つようになりました。

会場の下見には平気で30分以上の遅刻を繰り返し、大きなツアー案件も数ヶ月に渡って入院していると偽り、連絡を怠り、ついには3000万円もの受注案件を頓挫させてしまいました。

現場は彼を中心に動いているため、当然パトロネージュプログラム(ファンクラブ)やグッズ販売などにも影響が出始めます。

メーカーとの連絡が遅れれば遅れるほど楽曲の使用許諾が遅れ、情報解禁の時期も遅れ、券売期間も短くなっていってしまい売れるはずのチケットも売れなくなっていきました。

ここまでくると悪循環の繰り返しで、彼は日に日に周りのスタッフとコミュニケーションを取らなくなっていきました。

このままJAGMOを終わらせてしまうと会社として大きな損害を被ってしまう。

そう考えた私は、赤字公演の補填ならびに次の公演の前払金など合わせて5000万円を新たに調達し、彼らの事業に貸し付けました。

そんな中、当該団体にて演奏者手配や会場手配など実務を担当していた合同会社アーツイノベーター・ジャパンの浦田拳一氏を中心として、「プロデューサーを変えてJAGMOを生まれ変わらせたほうがいいのではないか?」という提案がなされるようになりました。

そんな声を聞いたのかどうかはわかりませんが、ある日突然「取締役を降りたい」と一方的なLINEでの連絡を最後に連絡が取れなくなってしまいました。

当時田中を中心とした弊社は大規模な映像制作の仕上げ作業真っ只中。

その仕事がひと段落する2〜3週間後に詳しく話し合いをする機会を持ちたい旨を伝えましたが、聞く耳を持たず。

辞表を本社のポストに残し、行方をくらませてしまいました。

弊社が貸し付けていた社宅も、もぬけの殻。

2021年4月末のことでした。

彼が遺したもの


弊社がJAGMOに投資した金額はおよそ1億円。

先般JAGMO売却の一報を出した際に提示した金額の根拠はここにあります。

JAGMO運営責任者兼弊社取締役の山本和哉氏はその責任を放棄し、多くの関係者とお客様を裏切りました。

これは友人としても会社としても強く非難し、強い憤りを覚えます。

さらに、彼の失踪から数ヶ月後のある日、目を疑う情報が入ってきました。

JAGMO運営事務局で公演制作を担当していた合同会社アーツイノベータージャパンの浦田拳一氏と山本和哉氏(株式会社Metroberry を設立)がタッグを組み、ゲーム音楽のオーケストラコンサートを開催していたのです。

彼らは、JAGMOと同様の「幻想水滸伝」や「東方Project」のコンサートを開催するだけではなく、演奏者や編曲家、音響や映像投影、撮影の技術会社などもJAGMOと同じ取引先に発注するなど、おおよそ通常の人間が行うこととは思えない愚行を重ねていたのです。

これは弊社だけでなく、これまでJAGMOを支えてくださったファンの皆様、全てのゲームファンの気持ちを踏み躙る行為であり、断じて許されないことであると考えています。

彼らは人として、やってはいけないことをしてしまったのです。

法的対処


民法651条1項には「取締役は辞任したいときに辞任できる」と規定されています。

しかし、同2項には次のように記されています。

「当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない」

また、会社法346条1項には「ある取締役の辞任によって、取締役の最低人数を欠く場合、辞任した取締役が、新たに選任された取締役が就任するまでの間、取締役としての権利義務を有する」と規定されています。

弊社の取締役の最低人数は2名のため、山本は現在も取締役としての権利義務を有することになります。

さらに彼が取締役である以上、他団体で利益を追求することは弊社に対する背任行為(刑法第247条より)であり、仮に裁判所で認められれば刑事罰をも受ける極めて悪質な行為だと認識しています。

弊社はこの問題に対処すべく、顧問弁護士と共に目下対応策を協議しています。

しかしながら裁判には多額の費用と膨大な時間や手間がかかるため、映像制作業に勤しむ弊社としてはどうしても優先順位が下がってしまっているのが現状であります。

これから


彼らが起こしたこの問題は決して許されるものではありません。

弊社はこれからも問題解決に向けて戦っていく所存であります。

しかし、JAGMOの信念は誰にも犯されていません。

ゲーム音楽という素晴らしい文化を100年先、1000年先の音楽史に残る文化にして、多くの人に喜びと感動を届け続けたい。

この信念がある限り、JAGMOは不滅だと考えています。

ただ、弊社にJAGMOを存続させる体力がないのも事実です。

そこで、JAGMOを新たに生まれ変わらせ、運営していただける会社・人が現れるまで、弊社では過去の公演資産を存分に活かしてその火を絶やさないようにしたいと考えました。

ゲーム会社様のご理解とご協力を得られてのことではありますが、過去公演の音源・映像・グッズなどを広く皆様にお届けいたしますので、共にJAGMOの灯火を守っていただけないでしょうか。

勝手なお願いだということは重々承知しております。

もし、仕方ないな、少しだけならと応援していただける方がいらっしゃいましたら是非ともご支援ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

最後に


最後までご覧いただきまして本当にありがとうございました。

さまざまな思いを抱いていらっしゃるかと存じます。

せめて、どこにぶつけたらいいのかわからない気持ちだけでもJAGMO Twitterアカウントへのリプライでコメントに残していただけないでしょうか。

皆様の声でJAGMOを生まれ変わらせてください。

最後になりましたが、このような社会情勢の中JAGMOへ支援いただいておりましたパトロネージュプログラムの会員の皆様に、深くお見舞い申し上げます。

これから暑い夏がやってまいります。

体調など崩されませぬよう、くれぐれもご自愛くださいませ。

株式会社レゾナージュ

2023年7月1日

想定されるご質問と回答

1.お知らせのタイミングに関して

本来であればこのような事態に陥った時点で、すぐに皆様に公表すべきでありました。

しかしながら、上記の通り法律的な問題も多く孕んでいることから、顧問弁護士と長期に渡り協議を重ねており、なかなか口外することができない日々が続いておりました。

また、JAGMO存続のために会社を存続させる必要があり、その資金繰りのために商標の売却を含めさまざまな取り組みをしてまいりました。

その中で、今回公表した事実がブランドに対してマイナスイメージを植え付けかねないと判断し、今日までお知らせが遅くなりました。

お客様、関係者の皆様にはご迷惑をおかけいたしましたことを改めてお詫び申し上げます。

大変失礼いたしました。

2. JAGMOのwebサイトおよびドメインに関して

webサイトを運営していたAWSへのサーバー料金未払いのため、閉鎖されてしまったことが判明しました。

そして、webサイトに関しては社内に知見のある人間がいないため、復活させることができず現在に至ります。

また、「jagmo.jp」のドメインも更新料未払いのために空きドメインになり、希望者が複数いたことで自動的にオークション形式となり別の方に使用されてしまいました。

従って、現在の利用者が手放さない限り弊社ではどうすることもできない状況となっております。

ご不便、ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません。

3. パトロネージュプログラムに関して

パトロネージュプログラムを担当していた運営事務局内のスタッフも同時に行方不明になってしまったため、弊社では会員登録、入金管理などを把握する術がありません。

ただ、会費の入金に関してはシステムも止まっているようなのでお金が引き落とされることはないとみられます。

また、当該システムにアクセスできないため、入会も退会も更新もできません。

つきましては休眠とさせていただきます。

なお、会員情報に関しては弊社内のサーバーにも情報が一部残っていましたので適切に管理し、漏洩防止策を徹底しておりますのでご安心くださいませ。

ご不便、ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません。

4. メールやSNSに関して 

長らくそれらにアクセスする術がなく、管理できませんでしたが、最近アカウント情報が発掘され、徐々にではありますが内容を把握することができるようになりました。しかしながら当該団体によって運営されていたため、弊社では現在、個別の対応を行なっておりません。

ご不便、ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございません。

5.個人情報に関して

弊社が管理・把握している個人情報は原則ありませんが、一部のパトロネージュプログラムの会員情報や、公演終了時にいただいたアンケート用紙が見つかっています。これらは一時的に弊社が責任を持って適切に管理し、個人情報の漏洩防止策を徹底しておりますのでご安心くださいませ。

6.売却に関して

JAGMOを正しく魅力的に運営していただけるチームがいれば、速やかに売却したいと考えております。しかしながら今日までそのような方々とのご縁には恵まれずにおります。

売却することになった際にはパトロネージュプログラムで管理されている個人情報やアンケートデータなどは弊社が確認できるものに限りJAGMO商標とセットにしてJAGMO運営のために用途をかぎって譲渡する予定でございます。

個人情報保護に関しては各種ガイドラインなどを遵守しながら適切に管理・運営してまいりますので、皆様におかれましてはご安心いただけますと幸いでございます。

7.お問合せに関して

上記の通り、当運営団体は休眠状態にありますので問合せに答えられる人間がおりません。弊社で分かる範囲のことも限られておりますため、大変恐れ入りますが弊社への問い合わせに対して個別にお答えすることができかねてしまいます。

なお、TwitterのJAGMO公式アカウントに対してリプライしていただいたご質問・ご意見に関しては、必要に応じてこちらのサイトで回答させていただくことも検討致しております。

ご不便、ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんが、ご理解ご協力のほどよろしくお願い致します。